読書日記(書評や読書メモなど)

読んだ本の記録です。書評やそれに類する読書メモなど。主なジャンルは、「教養」「ビジネス」「教育」です。仕事柄、財務や会計、教育関連の本が多くなるかもしれません。

ランニングの科学(鈴木清和 著)

著者は駒澤大学陸上競技をしていましたが、現役時代は故障(ランニング障害)に苦しんだようです。

その経験をいかして、今はランニングコーチ兼トレーナーとして活躍されています。

 

さて、来るべき浜松ハーフマラソンに向けて参考になることがたくさん書かれていました。ここではいくつかの特に重要だと感じたポイントを記します。

 

●ランニングフォームの正解は?

最適なランニングフォームは体型によって変わる

理想のランニングフォームを手に入れるためには、自分の体型に合った走り方にする必要があります。なぜなら、体型によって、合理的な体の動かし方が変わってくるからです。
ポイントは、上半身と下半身のバランスです。具体的には、比較的体幹が長いランナー、比較的脚が長いランナー、体幹と脚がだいたい同じ長さのランナーという3タイプに分けられます。

 

ということを、この本を読むまで知りませんでした。1軸が良いとか2軸が良いとか、人によって言うことが違ったのはおそらく、体型の違いが原因でしょう。

ちなみに私は「ピストン走法」という型が合っているようで、これは、腰のあたりで体を前後に貫く水平の軸を意識して、脚を上下に動かす回転運動を起こして走ると良いようです。

脚を上げる時は骨盤から引き上げることを意識し、それと連動し、上げる側の肩を下げるとわき腹の距離が短くなり、それによって広背筋が力を発揮しやすくなります。

特徴は平地が得意で坂が苦手、一定のスピードで走るペース走が得意と言った点です。

 

●長い距離を速く走り続けるためには?

VO₂Max(最大酸素摂取量)が高いと速いペースで走り続けられる

酸素を取り入れる能力が高い人ほど、速いペースで長く走り続けられるのです。

そして、最大酸素摂取量を大きくするにはインターバルトレーニングが有効です。

 

●インターバル走

インターバル走は、速いペースのランニングを急速(レスト)のジョギングをはさみながら繰り返すトレーニングです。

(中略)

走る距離によって、ショートインターバル(100m)、ミドルインターバル(500m)、ロングインターバル(1000m)といった種類に分けることができます。

走る距離の合計は、目標レースの4分の1くらいがちょうどよいでしょう。

最後はペースを維持できなくなるくらいの強度で行うのが良いようです。

私はハーフマラソンや10kmのレースなので、ショートとミドルでよいでしょうか。

 

●エネルギーに変わる早さを考えて食事をとる

レース中にエネルギー切れを起こさないためには、エネルギーに変わる早さを踏まえて食事をとると良い。基本はレース前に糖質と果糖を含んだものを時間差で食べておき、レース中のエネルギー切れ対策食品を用意しておくこと。

ハーフマラソンは2時間程度で終わるので、レース中の食事はあまり考えずとも良さそうです。

したがって、レース前の食事が重要になります。

浜松マラソン2019のハーフの部は9:00スタートなので、7:30頃に浜松駅につき、その付近でおにぎりやサンドイッチなどの高炭水化物を補給し、スタート5分前に果糖が多く含まれるフルーツジュースを補給しておけば良さそうです。

胃の中に食物が残っていることで、摂取した水分の吸収が時間をかけて行われるので、完全空腹状態は避けた方が良さそうです。

 

この他にも参考になることが書かれていました。レースが近くなってきたら再度読み返そうと思います。

 

 

 

スタンフォード式疲れない体(山田知生 著)

著者はスタンフォード大学の体育会でスポーツ医局のディレクターをしつつ、アスレティックトレーナーを務めています。(執筆時点では女子水泳部を担当)

 

多くの知見が書かれていますが、当然すべてを覚えることはできないので気になった点を抜き出しました。

 

疲労とは、体だけではなく、脳からも生じる現象」と、私はかねてから考えています。

もうしこし正確にいえば、疲労とは、「筋肉と神経の使い過ぎや不具合によって体の機能に障害が発生している」状態のこと。つまり、筋肉だけでなく「神経のコンディションの悪さ」が疲れを引き起こすというのが、最新のスポーツ医学の見解です。(p40)

この見解を受けて、試合で最高のパフォーマンスを引き出すために推奨されるのが次の3つです。

1、中枢神経をと整え(良い姿勢を保つ)、疲れを予防する。

2、筋肉を鍛えて、パフォーマンス(のポテンシャル)を上げる

3、リカバリーメソッドを実践して、体と脳の疲れをとる。

心がけ次第ですぐにできるのが、良い姿勢を保つことと、良い睡眠をとることです。(と言いつつ、このエントリーを書いているのはAM0:50。ダメじゃん)

 

そして、本書でもう一つ大事なことを”IAP”(腹圧呼吸)。腹式呼吸ではありません。腹圧をかけたまま呼吸するメソッドです。

やり方はネットを検索すれば出てくるので、気になる方は調べてみてください。

簡単に言うと、お腹を膨らませたまま(腹圧を保ったまま)、5セット程度の呼吸をするというものです。1分程度でできそうです。

 

あとは類書でも言われていましたが、座りっぱなしは良くありません。日本人は世界一座っている時間が長いそうで、平均7時間だそうです。(いったいどんな母集団なんだ?外回りの営業は含まれないということか?)

30分に一度は立つようにしましょう。

 

ほかにも参考になることが書かれていますが、個人的にはすでに類書で目にしたことが多かったので、このエントリーでは省略します。(「知っている」と「できている」の間には大きな谷が横たわっていることを思い出しました)

 

 

運は創るもの (似鳥昭雄 著)

ニトリホールディングス社長の似鳥氏による一冊。

もともとは日経新聞の「私の履歴書」で連載されていたものに加筆したもの。

一代でニトリを今の規模にまで成長させた軌跡が書かれています。

似鳥氏は幼いころは家庭環境など、かなりの苦労がありました。また、ニトリ創業後もあまり深く分析せずに突っ走る部分があるので何度も失敗をしていますが、フロンティア精神が日本で唯一ともいえる家具・家財分野のSPAを確立した要因ではないかと感じました。

著者は飲みの席やゴルフも好きなようですが、「自分がよければそれで良い」というタイプではなく、家族や従業員のことも考えるタイプのようです。

 

「はじめに」に大事なことが書かれています。

「成功の秘訣は何ですか」とよく聞かれるが、ロマンとビジョンを掲げ、「他社より5年先をゆく」経営を進めてきた結果だと自負している(p1)

理念や目標がしっかりと定まっていると、仕事を進める上での軸ができます。

 

賢くないので、あれこれとリスクは考えずに突っ走ることができた。(p3)

自分が賢いと言う気はありませんが、どうしても先を考えてしまうので、著者のように思い切って突っ走ることができません。これはタイプの違いで優劣が付くものではなく、役割が違うと理解しています。

 

ここまでニトリを成長させることができたのは80%が運だと思っている。だがそれは偶然の産物ではない。「運は、それまでの人間付き合い、失敗や挫折、リスクが大きい事業への挑戦など、深くて、長く、厳しい経験から醸成される」というものでもある。(p4)

運を呼び込む方法、マインド、行動はあると思います。

 

そしてその他に「そうだよなぁ」と思ったのが、著者の父親の言葉。

父はあまり成績のことを言わなかった。「おまえは頭の悪い人間が結婚して生まれた子だ。だから勉強ができないのは当たり前だ」というのが理由だ。もっとも後がある。「だから人より努力するか、人のやらないことをやるかだ」(p33)

 いわゆる「頭の良さ」は、あったほうが良いものですが、人生を良く過ごすために必須のものではない、と、最近思います。

ニトリも一時期外様役員に実権を握られそうになった時もあったようですが、似鳥氏よりも”優秀”な人材を雇用することで会社を大きく成長させていったようです。

やはり、私利私欲・自分一人の力だけでは成長に限界があり、世のため、関係者のためになることは目に見えない力を得られるようです。

 

それにしても市原市の八幡店が本州進出2店目だったことを知り、少し驚きました。そして本書にも書かれていましたが、店があった前の道路(平成通り)が、いつまでたっても16号までつながりません。(きっと地主がらみの問題でしょう)

 

 

 

RUNNINGstyle 2016年10月号  特集:ランナーの新常識

最近は『TARZAN』もほとんど読んでいなかったので、最新のトレーニング理論を追いきれていなかったので、浜松マラソンにエントリーしたことを機に、”新常識”をおさえておくことにしました。

 

01 「距離を踏めば走力がつく」は迷信

⇒高強度・短時間のトレーニングを週に3回行い、時間が空いたら距離を走るトレーニングを行うべし。具体的には、「30秒のダッシュ→4分の休憩」を4~7セット程度行う。

 

02 夏の“坂トレ”10分は10kmぶんのトレと同じ負荷!?

⇒上り坂では脚を上げる筋力が鍛えられ、下り坂では脚の回転数が自然と高まり良い刺激になる。

 

03 一カ月休んでも走力は取り戻せる

⇒最大酸素摂取量はトレーニング再開から約4週間で改善され、さらに8~12週間の継続でほぼ元の状態に戻る。つまり、疲労が蓄積された状態でトレーニングをするよりも、完全休養をしたほうが良い

 

04 持久力は1日1回たったの4分で身につく!

⇒タバタトレーニング(昔はバーピーテストと呼んでいた)を活用せよ

 

07 体は柔らかければいいわけではない

⇒大きな骨を支える中殿筋や大腰筋はある程度の硬さがないと、骨を安定して支えることができなくなってしまう。

 

08 2軸で走れば疲れない

⇒長らく良しとされてきた1軸走法(体の中心に軸があるイメージ)では体幹のねじれが多く、無駄が発生。それに対して2軸(両肩と両足のつけ根に軸があるイメージ)は、体の安定性をつかさどる2本の動作軸を固定した状態で走ることで、体幹部分が自然に正面を向いた状態となる。結果、パワーロスを防げる。

 

09 ラム肉こそがランナーがとりたいスーパーフードだ!

⇒ラム肉には体脂肪をエネルギーに変換するLカルニチンが豊富であることに加え、リカバリーに必要な鉄と亜鉛が豊富に含まれている。

 

11 カーボローディングは不要だ

⇒不要とは言っても、前日の炭水化物を1.5倍程度にするくらいは効果あり。あとはレース当日の朝は消化のよい白米やうどんを食べておけばOK。

 

18 夜ランは最強の健康法だった

⇒簡単に言えば、朝は体が起きていない。夜は体が覚醒している。

 

今年の4月に焼津みなとマラソンでハーフに出る前のトレーニングで坂道ダッシュを行ったけど、それは最大筋力を上げることを目的にやっていたけど、知らず知らずのうちにVO2MAXを上げる効果があったのか!

そしてカーボローディングはもともと前日にやるものだと思っていたので、正しくできていた(大学の時も試合前日は植田のAIUEOで大盛パスタを食べていた)。

 

 (画像は最新号)

死ぬこと以外かすり傷

幻冬舎の編集者、箕輪厚介氏の著作。氏は『多動力』(堀江貴文)や『人生の勝算』(前田裕二)、『お金2.0』(佐藤航陽)などを編集。今、日本で一番勢いのある編集者ではないでしょうか。

ルールが変わる。無知こそ武器だ。考える前に飛べ!(表2)

 

と言いながら、

やはり知っているということは、それだけで偉大なのだ。(p57)

と言う。

一見矛盾するようだが、「知識などをインプットすることも大事であるが、過去の事例や常識にとらわれずに、自分の頭で考えてまずは行動せよ」ということを言っているのだと解釈した。

幻冬舎社長の見城氏も熱い男だが、箕輪氏も熱い。そして行動する。(漫画版『多動力』の主人公は箕輪氏がモデルとのこと)

 

残念ながら、今の自分では本書から得られるものが少ない。

本書を読んであらためて思ったのは、会社という”組織”にいるからこそ、人とネットワーク、会社の予算が使えるという点。確かに予算を組む時10万円、100万円の話をするけど、個人でそんな単位のカネを使うことはめったにないからなぁ。

その他、本書は気分が落ちた時の栄養剤的な効果が期待できる。

時間をおいて読み直すと、また得るものがあるかも。

 

しかし、なぜ本書は幻冬舎ではなく、マガジンハウスから出版されたのか?

 

 

強運道 -御縁と人徳の法則-

東京は篠崎の書店「読書のすすめ」の清水店長の著作。

お客さん、あっしはね…人が成長するのには、「本との出会い」と「人との出会い」しかないって思っているんでさ。(p26)

”幸福”を科学的アプローチで分析した本に書かれている幸福との出会い方にも似ている。幸福は人や、新しい経験が運んでくるそうな。

 

「今この時を肯定的に生きよう」って決めて、明るくスッキリ過ごしているとね、その「今」出している波動が、明るい未来を呼び込んでくれるんでさ。(p56)

まさに”笑う門には福来る”ですね。ツキは笑顔が好きなんでしょう。

 

●強運になる読書の極意四●

人のために読み、自分の言葉で話やしょう(p141)

これは自分の理解を深めるためにも良いと思います。抽象と具体をいったり

来たりするとエッセンスが自分の中に残るような気がします。

 

「アンタ、誰に遠慮してんだい?」

…これはね、今の時代、とっても大事な問いかけだと思ってるんでさあ。

(中略)

こういう時こそね、必ず一歩前に出なきゃならねえんだ。チャンスですからね!

で、一歩出るとね、必ずなにか言われます。「やめておいたほうがいいよ」とかね。

これ、セットですから。 (p205)

自分の人生は自分で責任をとるしかないですからね。忠告してくれる他人はその時は心配してくれるかもしれませんが、責任は取ってくれません。

自分が「こうだ」と決めたら覚悟を決めてやるべきですね。

 

ところで、今、東京ヴェルディがJ2に落ちた時の監督、柱谷哲二の気持ちがよくわかります。記憶があやふや部分もありますが、確かあと3節くらい残っている段階で、降格圏外の順位だったにも関わらず「このままでは120%落ちる」と言いました。

今の職場も危機的状況に陥っていますが、恐ろしいほどのんびりしています。このままで2024年には120%潰れています。

そうならないよう、数名の同志とトップに意見を申し上げようと考えているところです。幸いというか、うちには窓際ポストはないので報復人事も恐れなくて良いですしね。

 

 

 

キリンビール高知支店の奇跡

今更感がありますが・・・

本棚に『キリンビール高知支店の奇跡』を追加。

大まかに本書の内容を紹介すると、アサヒスーパードライに押されていたいた高知支店を立て直し、高知支店→四国地区本部長→東海地区本部長→営業本部長と出世した著者の行ったことを高知支店時代を中心に書いたもの。

キリンビールは一時期独占禁止法に抵触するのを心配するほどシェアを取っていた。

そのためか営業活動をしなくても売れることに慣れてしまい、営業力がガタ落ちだった。

そのような状況で組織改革を行った軌跡が書かれている。

まともに営業が機能している会社であれば普通のことだろうけど、官僚的になってしまった大組織を変えるのはさぞ大変だったろうと想像できる。

この本は営業手法やマーケティングを学ぶというよりは、組織変革のためには地道に続けることと、軸を定めたらブレてはいけないことを学べる。

具体的にピント来たのは次の箇所。

不思議なことに、結果が出ずとも、ガマンして4カ月目に入ると、皆、身体が慣れてきました。

これは全員が同じことを言っていました。

スポーツの練習と同じで、しんどさを超えると、それが普通だと思える状態になってくるのです。(p50)

3ヶ月と言う人もいるけど、とにかく100日くらい何かを続けると身についてくるということか。

 

それは地道な営業の基本活動とエリア広告のシナジー効果です。

広告は注目されても、購買に結びつかないということはままあります。とくに「高知が、いちばん。」は、商品の説明にもなっていなければ購買意欲を刺激する言葉もない。しかし、市場からの反応が徐々に上がってきました。

それは営業マンの愚直で徹底した活動が基礎にあったからです。(p71)

イメージ広告に近いものでも地道な活動があれば相乗効果を発揮するポテンシャルがあるとういことか。

 

高知支店の対前年比が社内で一躍、1位となりました。

最下位クラスから1位へ、負け続けから勝ちに転じた、その要因はテクニックではありません。

捉え方であり、行動スタイルなのです。

行動スタイルの変革に学歴、年齢、性別は関係ありません。(p102)

物事をどう捉える(認識する)かは自分次第だ。

 

高知時代に不思議な体験をしました。

ありえないような幸運が次々に訪れたのです。

感覚的なものですが、何か宇宙の大きな温かい力に強く後押しされている気がしていました。(p185)

この幸運と感覚を呼び込むにはどうしたらよいものか・・・