なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか?
創業者にせよ、中興の祖にせよ、一代で会社を大きくした人に共通するのは、初期のハードワーク。
餃子の王将元社長の大東氏(射殺されるというショッキングな最期を迎えた)のインタビューを軸に、餃子の王将の店舗拡大の要素を取材していった一冊。
個人的に餃子の王将は好きな店だが、アルコールを摂取する機会が減ってからほとんどいっていない。
ただ、店の前を通ることはよくあるので、その時々のフェアの内容や、駐車場の混み具合はチェックしている。
さて、本書から得た学びは会計に関することである。
餃子の王将の店長は皆、財務諸表を読める。
「店長ともなれば財務諸表を読めるのは当たり前」と思ったが、わざわざ紙幅を割いているということは、他のレストランチェーンでは当たり前ではないのだろう。
いわゆる管理会計に近いことを行っているようだが、あらためて感じたのは、飲食店や加工製造業など、パートの人件費や原材料費などの変動費の割合が高い(さらには日銭が入ってくる)業種であれば、管理会計は有効だろう。
だが、学校のような固定費が占める割合が高い業種においては管理会計は有用とは言いがたい。なぜなら、学校における費用は教職員の人件費、建物や土地の固定費がほとんどを占めるからだ。
また、授業料等の学費もみな同じ価格であるので、単純に生徒・学生を定員目一杯かちょいとオーバーするくらい集めるのが会計的には最も良いのは分析するまでもないことだからだ。
よくも悪くも今の仕事(会計課)の守備範囲がわかった一冊だった。